【業界を知る】「置き配」って知ってる?
皆さん、こんにちは!
運営担当スタッフです。
物流の2024年問題もあいまって、宅配ドライバーの過酷な労働状態が取り沙汰されていますが、特に大変なのは再配達です。
その最も手近な解決策に「置き配」指定があります。
ネット通販ではすでに一般化していますが、ヤマト運輸が、宅急便を「置き配」で受け取れるサービスを6月10日に開始することを発表しました。
今回は「置き配」についてご紹介します。
1 ヤマト運輸、宅急便で「置き配」受け取りが可能に
「置き配」導入の背景にあるのが、下がらない“再配達率”の高さです。
コロナ禍で一度下がったものの、再び上昇し、ここ数年は11%台のままです。
いまだ年間5億個以上の荷物が再配達になっています。
今月からトラックドライバーの残業時間が原則、月45時間以内に規制され、輸送量の減少が懸念される「2024年問題」が深刻になっています。
ヤマトは置き配サービスの拡大で、運転手の働き方改革や再配達の削減といった社会課題の解決にも貢献したい考えです。
すでにヤマト運輸では、EC業者向けの置き配サービス「EAZY」を提供しています。
年間取り扱い数約23億個のうち、EAZYで置き配されているものは約5億個とのことです。
置き配の認知度がニーズが高まってきたと捉えた同社は、6月10日から一般向けの宅急便と宅急便コンパクトでも置き配サービスを提供することにしました。
2 「置き配」を阻む3つの壁
日経MJの消費者1000人アンケートで、3人に1人が「置き配をしたくてもできない」経験をしていたことが分かりました。
置き配を阻む壁は3つあり、それを崩すための対策が講じられています。
①宅配ボックスが足りない
対策:・一つ一つのボックスのサイズを半分にして受け入れ数を2倍にする。
・長期間荷物を取り出さない入居者宛ての預け入れをブロックする。
②オートロックがありマンションに入れない
対策:配達員が商品番号などの入力で一時的に解錠する。
③盗難リスクが怖い
対策:大手損保が置き配を保険で補償する。
家にいても対面受け取りを避けたいという人は多く、置き配の潜在需要は高くなっています。
アンケートでは「対面で宅配を受け取ることにストレスを感じたことがある」と答えた人が48%に達しました。
理由としては「風呂やトイレに入っていた」(64.9%)といったタイミングの問題が多いですが、「ただ出たくない気分だった」という人も20%存在します。
リスクやデメリットさえ減らせれば、置き配は運び手と受け取り手双方の負担を軽くします。
置き配の普及は、物流2024年問題のこれまでの課題が解消に向けて大きく動く好機となるかもしれません。
最後に
宅配便という便利なシステムを持続可能にするためには、ドライバーの負担を減らして労働環境を改善する必要があります。
置き配は、誰にでもすぐにできる有効な対策となります。積極的に利用していきたいですね。
<出典>
ヤマト運輸「置き配」開始は、2024年問題の切り札となるか | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)
「再配達」の数は年間“5億個” ヤマト運輸が宅急便で「置き配」開始へ(TBS NEWS DIG Powered by JNN) - Yahoo!ニュース
ヤマトが「置き配」を6月10日から本格導入 再配達減少期待(産経新聞) - Yahoo!ニュース
「置き配したいけどできない」3人に1人 3つの壁を崩せ|日経電子版セレクト|神戸新聞NEXT (kobe-np.co.jp)